中国国内で、日本の常任理事国入り反対のデモが行われ、当局が暗黙の了解を出したことから一部が暴徒化したことは、日中間の関係が未だに成熟していないことを露呈した。 だが、これに留まらず、最近の中国関連の報道を見ていると、様々なデモが行われていることに気がつく。 ■「中国で退役軍人が建国以来最大規模の抗議活動」 中国人民解放軍関係者や目撃証言によると、中国の北京で今週11日から13日にかけて、退役軍人約2000人が恩給の引き上げを求める座り込みを行った。 退役軍人による抗議活動としては、1949年の中華人民共和国建国以来、最大規模で、これまで軍の助けをかりて政権を維持してきた共産党内部では、警戒感が強まっている。 ある軍関係者は、ロイター通信に、「政府は不意をつかれた。退役軍人が、今後も抗議活動を続け、社会混乱を引き起こすのではないかと懸念される」と述べた。 ■「浙江省の村で3万人暴動 公害に抗議、2人死亡」 中国浙江省東陽の村で10日、化学工場による公害などに抗議した村民約3万人以上が暴徒化、多数の警官らと衝突し、少なくとも村民2人が死亡、警官側にも負傷者が多数出た。12日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが村民の話として報じた。 同紙などによると、現地では2001年に化学工場が設置されて以来、水や大気の汚染が進み、最近は農作業ができないほど深刻化。先月末、村民の一部が工場に通じる道を封鎖し抗議行動を始めた。 これを受け地元当局は10日、約3000人を派遣し村民を強制排除したが、この際、村民を棒で殴るなどして数人が負傷し、これに怒った村民が役場を取り囲み、役場の車両50台以上を転倒させるなど暴徒化したという。 今回の抗日デモの陰には、もっと大きく報じられて良いはずの反公害デモや退役軍人デモが実際に(タイミングは偶然かも知れないが)存在していた訳だ。 件の公害問題では農村部のダメージが大きく、都市部との経済格差が問題となっている背景もあって農民の不満は高まる一方だし、退役軍人のデモは(共産党を支える)軍部に影響する可能性がある。指導部にとっては、特に退役軍人デモは頭が痛い問題だろう。 抗日デモの場合は国際問題なので、一見派手だが、実質的な被害というより、国民感情の発露の面が強い。それ故に、中国政府はしばしば「ガス抜き」にこうしたデモを利用する。 中国政府は、日本との共同開発を主張している天然ガス田ばかりか、国民感情のガス抜きをする必要にも強く迫られているのであろう。 ■
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by kiyoaki.nemoto
| 2005-04-15 15:00
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