米国は低レベルな戦いに引きずり出されてはならない
河北新報ニュース NPT体制の危機/ほごにするな核軍縮の約束
河北新報社の社説に、アメリカのNPT脱退の動きを批判する記事があった。前半を紹介する。(下線は私がマーク)
核拡散防止条約(NPT)体制がまた試練に見舞われる。核超大国の米国が、「核兵器を廃絶する明確な約束」を柱とする核軍縮措置をほごにする恐れが出てきたからだ。

 米政府当局者は昨年末、2000年5月のNPT再検討会議が全会一致で採択し最終文書に明記した13項目の核軍縮措置について、「法的拘束力のある指針とみなさない」「(中枢同時テロなど)過去5年間の出来事を反映した新文書を探求すべきだ」と言明した。

 米はこう言いたいのだろう。冷戦終結後の世界の脅威は、ならず者国家やテロ組織が大量破壊兵器を手にすることにある。テロとの戦いに勝つためには、クリントン前政権が結んだ5年前の約束に縛られたくない。
 確かに、01年の9.11を境に世界の情勢は大きく変わった。だが、国際公約を軽んじ、激論の末まとめ上げた歴史的文書を白紙に戻すような姿勢には疑問がある。NPT体制を揺るがすことにならないか。米は影響をじっくり考えてほしい。

 NPTは、核保有国を米、ロシア、英、フランス、中国に限定し、この5カ国以外の核兵器製造や取得を禁止する。その代わり、保有国は「厳粛に核軍縮交渉を行う義務」を負う。その義務をないがしろにしては、非保有国の核開発に口実を与えかねない。

ブッシュ政権になって単独主義が目立つようになり、その考え方がしばしば批判される。
内向き思考の原因は、テロへの恐怖で思考停止状態に陥っている米国国民と、これを利用して軍需産業が後押しをする政府の連携にあると思う。
また、ラムズフェルド国防長官やブッシュ大統領自身を見ても分かるように、戦争はしばしば、戦闘体験の無い者がリーダーの時に推し進められる。逆の例もある。イスラエルのラビン将軍が首相になってアラファト議長と(嫌々ながらも)握手をし、ノーベル平和賞を受賞したのとは対照的だ。

このまま米国が単独でテロとの戦いを戦闘レベルで考えていくと、戦略はますますおろそかになり、各国の信頼と支持が失われるだろう。戦争に限らない。環境問題についても同様だ。
米国は早く、過去の信頼という遺産を大量消費していることに気が付かないと、世界の超大国から軍事超大国に呼称を変えることになるだろう。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-01-18 18:51 | ニュース
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