NHK「政治介入」で変更指示…プロデューサーが会見
この問題について、これまでの関係者の発言と影響が書かれていたので、記録目的で読売オンラインの内容を書き記すことにする。
YOMIURI ON-LINE / 社会

 NHK番組制作局のプロデューサーが13日、東京都内で会見し、戦争報道番組で「政治介入」を受けたほか、別の番組についても「政治家に批判されたため再放送が中止になった」と述べた。

 これに対し、NHKや、指摘を受けた政治家はそれぞれ、「政治的圧力はない」と真っ向から否定した。不祥事に揺れ続けるNHK。「公平・公正」と「不偏不党」を掲げる公共放送のあり方を問う告発だけに、真相の早期解明が求められている。

 ◆安倍、中川氏は反論◆

 「私もサラリーマン。家族を路頭に迷わすわけにはいかないと4年間非常に悩んだが……」。13日、都内のホテルで会見したNHKの長井暁チーフ・プロデューサー(42)は涙をぬぐいながら語った。

 問題となっているのは、2001年1月に放映された「戦争をどう裁くか」シリーズ2回目の「問われる戦時性暴力」。

 会見によると、番組放映前日の1月29日、番組制作局長から、「この時期に政治とは闘えない」と切り出され、番組内容を変更するよう指示された。理由は明かされなかったが、自民党総務部会で、NHKの新年度予算の説明を控えていたことから「政治の介入」と直感したという。VTRは翌日夕方にかけてカットされ、通常44分の番組は40分で放映された。

 放送法では、「放送番組編集の自由」として、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることがない、と規定している。

 長井プロデューサーは昨年12月9日、NHKが不祥事を受けて同年9月に設置した「コンプライアンス推進委員会」に内部告発した。委員会からは8日後に「調査する」との回答があったが、関係者への聞き取り調査も行われないため、会見に踏み切ったという。

 長井プロデューサーはさらに、2001年9月に担当したBSE(牛海綿状脳症)を巡るNHKスペシャルの番組についても、「反響が大きく再放送も決まっていたのに、自民党農林部会で批判が出たという理由で再放送が中止になった」と語った。

 一方、番組改変に介入したと指摘された中川昭一衆院議員、安倍晋三官房副長官(当時)のうち、安倍氏は13日、記者団に「事実と全く違う」と反論した。安倍氏は、放送前日にNHK側から番組の説明を受けたことを認めたうえで、「公平公正な報道を行ってもらいたい、と述べたのが真実。それ以前に私が圧力をかけたり、接触したりということは全くない。私が呼びつけたという事実もない」と主張した。

 フランス訪問中の中川氏は13日、パリで会見し、「NHK関係者と会ったのは番組放送後の2月2日で、事業計画の説明のためだった。政治的圧力はかけていない。ひぼう中傷で名誉を棄損された」と述べた。

 ◆NHK「圧力で変更ない」◆

 NHK広報局は13日夜、関根昭義・放送総局長の「見解」とするコメントを発表。安倍、中川両氏から「政治的圧力を受けて番組の内容が変更された事実はない」と、長井プロデューサーの主張を全面否定した。

 その中では、中川氏について、「NHK幹部が面会したのは放送3日後の2月2日が最初で、放送前に面会したことはない」と指摘。一方、安倍氏には「予算の説明を行う際に番組の趣旨などを説明した」と面談の事実を認めた上で、「その段階で編集作業は最終段階に入っており、多角的な意見を反映させるために追加インタビューも終わっていた。(安倍氏との)面会によって内容を変更したという事実はない」と説明している。

 さらに、当時のNHK内部の状況に触れ、「追加インタビューは、安倍氏に面会する数日前から進めていた」「内容や構成に手を加えながら、放送直前まで検討を続けることは通常の『編集』であり、『改変』ではない」「放送総局長や番組制作局長が、現場の責任者に意見を述べるのは、むしろ当然のこと」などとしている。

 ◆「問われる戦時性暴力」=2000年12月に東京で開催された「女性国際戦犯法廷」などを取材し、従軍慰安婦など戦時性暴力の責任問題を取り上げた。番組を巡っては、同法廷を開催した民間団体などが、「事前の説明とは異なる番組を放送され、信頼を裏切られた」として、NHKと制作会社2社に賠償を求めて提訴。東京地裁は昨年3月、制作会社1社に100万円の賠償を命じたが、NHKについては「編集の自由の範囲内」として責任を認めなかった。原告側によると、控訴審では東京高裁が17日の口頭弁論で結審する意向を示していたが、今回の問題が発覚したため、審理が継続される見通しとなった。

(2005/1/14/01:07 読売新聞 無断転載禁止)

[PR]
by kiyoaki.nemoto | 2005-01-14 09:57 | ニュース
<< 政治生命と新しい生命をはかりに... Top 妻を捜して高校へ乱入か? >>