オーバードクターに関するアンケート
オーバードクター就職支援のための調査結果報告

博士号を取得しても就職先の無いオーバードクターの問題が取りざたされているが、今年2月に全国の大学で教員、院生、オーバードクター関係者に行ったアンケート調査の結果が産学プラザより発表された。

読んで改めて驚いたのが、毎年の博士課程卒業者が五千人近いのに、就職先が決まっているのはここ数年、5割台に留まっていることだ。そして、就職先に関して問題があると認識している教職員が半数を超えるところをみると、5割台の就職率すらも、結果的になんとか就職できているだけに過ぎないのではないかと思えてくる。実際、就職先の第2位も任期付き研究員だ。
これでは何のために博士課程に受け入れているのか、となりかねない。博士課程の存在意義そのものを問われかねない問題だ。
教職員アンケートでは、次のような声が聞かれた。

  • 大学院拡充という政策が打ち出された時点で、発生することが分かっていた問題。
  • ニーズに見合った博士が育成されていないことが基本的な問題。
  • 博士取得者が増大しているにもかかわらず、その就職先は増えていない。
  • 優秀な人材は、国内における博士取得者の就職難から、海外で職を求めるか、修士で就職するケースが増えつつある。
  • 博士取得者を活かす場が少なく、科学技術の基盤が弱体化しつつある。
  • オーバードクター問題は、学生の理科離れ、研究者離れの大きな要因となっており、国として問題。

また、学生・院生の声としても、問題の深刻さを裏付ける声が多い。
  • 大学院定員の拡大とそれに対応する就職先の数の絶対的不足というアンバランス
  • 博士課程の社会的意義が問われている。
  • オーバードクター、ポスドクの社会的地位が低いように思われる。
  • 企業,大学,研究所などのドクターの就職に関する情報が少なすぎる。
  • 就職相談する機関があれば利用したい。
  • 研究活動が非常に忙しく、就職活動に費やす時間がない。
  • 博士を取得しても就職先は任期付きのポスドクが多く,苦労が報われない。

国の取り組みとして、大学院拡充方針を元に戻すのは急務だろう。また、暫定対策にせよ、何らかの就職支援を行った方が良いようにも思う。
ただ、国立大学が独立法人化した影響で、院生受入数が研究教育面での評価に繋がっている点がどう影響するのか、気がかりな面もある。国は、この責任を大学側に押しつける訳にはいかない点を忘れず、対策してほしい。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-07-16 16:25 | ニュース
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