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拡大するアスベスト被害
NHKニュース

NHKが独自に行った調査により、アスベストによる健康被害は14都府県に及んでおり、既に301人が死亡、119人が補償を受けていたことが判明した。


NHKは大気汚染防止法に基づいて都道府県と政令指定都市にアスベストの使用を届け出ている全国の企業に取材し、その従業員や周辺の住民への健康被害の状況を調べました。その結果、住宅用の建材や配管をつくる工場などで、これまでにアスベストを扱っていた事業所は全国で302か所に上りました。これらの工場の従業員などでアスベストが原因とみられる、がんとじん肺で亡くなった人は301人に上りました。また、亡くなった人も含め健康被害のあった人のうち、119人が企業から補償を受けていました。

急に死者が増えたかのような錯覚を覚えるが、これは過去30年間で亡くなった人数であり、年平均にすると10人になる。(平均的に推移したという訳ではないだろうが。)
これまで、この種の調査が全国的にされていなかったことが、「急増」の理由だろう。

だが、アスベスト被害は年月を経て発症することが知られている。次の図はイギリスにおいて、アスベスト輸入量のピークに続き、50~60 年後に中皮腫の推定死亡数がピークになることを示したグラフだ。イギリスのアスベスト輸入量変化と中皮腫による死亡数予測
タバコの健康被害については啓発が進み、喫煙者数は(若い女性層を除いて)減少しているが、発展途上国でもない日本で今後、肺ガン患者が増加すると予想されている理由はアスベスト被害者が増えると考えられているためだ。(発展途上国では喫煙が増加していることが肺ガン増加予想の理由になっている)

勿論、アスベストはとっくに使用禁止原則使用禁止にされてた物質だが、影響が出るのにはこれだけ時間差があるということだ。当時、その影響が知られていなかったという側面も考えれば、新たな「公害」と呼べるかもしれない。

[P.S.]
アスベスト、日本では使用禁止ではなかったようです。
アスベスト、原則禁止から全面禁止へ 厚労省】の記事を参照。
by kiyoaki.nemoto | 2005-07-08 11:45 | ニュース
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