フィンランドに学ぶ学力向上策
学力:PISA結果などについて論議 OECDセミナー

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昨年行われた国際的な学力調査「PISA2003学力調査結果」(41カ国・地域、15歳)の結果が去年11月に発表されたが、フィンランドは読解力、科学的リテラシーで1位であった。今や「子供の学力世界一」と言われるようになったフィンランドから、教育大臣トゥーラ・ハータイネン氏(45)が先月来日し、東京都内でその秘訣を講演した。尚、この講演はOECDセミナーの中で行われた。
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大臣は看護師として働いた後、子育てをしながら大学院で学び、政界入りした経歴を持っている。現在は13歳と17歳の子供を持つ母親として、教育の現場を見てきた人物だ。子供たちは2人とも地元の公立校に通ったが、それがとても良かったと感じた大臣は、学校に対して絶大な信頼を寄せているという。

「世界一の学力」を支えるのは、教師の質(:フィンランドの教師は大卒ではなく大学院卒)や、読書量だけではなく、育児サポートなどの社会福祉や幼児教育が欠かせないと大臣は強調する。
教育の成功は社会の発展につながる」と語るハータイネン教育大臣の言葉に、日本の中山文部科学相も「社会・経済的に、全体的に水準が高いということも重要な要素なんだなと、そういうことを(ハータイネン)大臣の話を聞きながら感じた」と感想を述べている。

c0026624_2372333.jpgOECD教育局のシュライヒャー指標分析課長も、「PISAの結果から見た学校制度」とのタイトルで講演を行い、PISAの目的が単に各国の比較ではなく、教育制度の違いを調べ、成功している国の要因を探ることにもあると述べた。
その上で、成績上位の国では学校間の成績格差、社会経済的背景による格差がほとんどないことを挙げ、(家庭の経済事情などによらず)公平な学習機会が保証されることが大事だと説明した。
また、シュライヒャー課長は、成績は良いのに意欲が低いとされる日本の子供について、「学習動機と到達度は両方とも大切で、どちらが高いと優れているということではない。動機付けがあれば、将来、高等教育に進むきっかけになる」と答えた。

こうした国際比較は優劣を論じるものではなく、行き詰まり・伸び悩みを打破したい国にとって参考にすることが大切だ。日本が学ぶことは多々あるだろうが、実行が容易いものばかりではないかも知れない。従来政策の転換や、場合によっては伝統的価値観の取捨などを迫られるかことがあるかも知れない。
が、個人の自由度を増やすために教育の充実は欠かせない。引いては、国の活力の源泉も教育が作り出している訳だ。その成果を得るには時間がかかるが、実れば大きいのも教育だ。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-07-01 15:21 | 街角
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