『人口が悩み』一緒だが…
中国の一人っ子政策、当面維持 中国の週刊誌「国際先駆導報」が日本の少子化について取り上げたそうだ。 同紙は自分の趣味や生活を楽しみ、結婚を先送りする日本人の若者たちのコメントを紹介し、日本政府の少子化対策がうまく機能していない実態を説明。 「十五歳以下の日本の子どもは今後二、三十年減り続け、人口に占める割合は14%と史上最低になる」と予測し、子どもが「絶滅危ぐ種」と心配されるほど貴重な存在になるとした。 ここまで少子化が進んだ理由は、夫の仕事が忙しすぎて妻子と過ごす時間が極端に短いことにもあると指摘し、日本の企業文化にも言及した。 一方、一人っ子政策を推し進めてきた中国を省みると、この30年で人口が3億人抑制され、明らかな成果が出ているそうだ。しかし、農村部と都市部では事情が違う。 老後は子どもに養ってもらう慣習がある農村部では、跡取り息子が生まれるまで出産を続ける結果、一人っ子政策が都市部ほど守られていない。そこで中国当局は、一人っ子政策を守った場合に報奨金を出すことにしたそうである。 中国の国家人口計画生育委員会は九日、記者会見を開き、約八億人が暮らす農村部でも「一人っ子政策」を徹底させるため、規定を守った六十歳以上の夫妻に対し年最低千二百元(一元=約十三円)の奨励扶助金を出すと発表した。 高齢者の年金を肩代わりする制度でもあり、人口抑制に一定の効果があるとしている。 同委員会によると、息子一人または娘二人までの夫妻が対象で、六十歳から死亡するまで奨励扶助金を受け取ることができる。 貧しい農村人口を増やさないようにすることは、都市と農村の経済格差を解消できない以上、やむを得ぬ措置だろう。 ところで、中国農村の人口増問題は、子供を持つことに対する文化の影響を示唆している。 少子化抑制に失敗している日本に目を転じると、日本の見落としている何かがある気がしてならない。出生率減少にストップを掛けることの出来たオランダやデンマークを日本が見習う際にも、その背後にある価値観や文化にも目を向ける必要があるのではないだろうか。 「失敗学会」の畑村教授は、相次いだ回転ドアの事故の背後には、回転ドアの改造が当初の設計ドキュメントなどを全く継承しない中で進められ、間違った発想が付け足されたことを指摘している。成功事例の表面だけをなぞっていては、成功は覚束ない。 日本が本気で少子化対策に取り組むなら、いずれ、既存の価値観を捨てなければならない局面にぶつかるだろうと、私は考える。 関連:【不況と少子化】 関連:【少子化対策 打つ手はあるのか】
by kiyoaki.nemoto
| 2005-06-11 14:18
| ニュース
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