アムネスティ年次報告書2005
Amnesty International Japan-アムネスティ・ニュース - アムネスティ年次報告書2005:危険に満ちた新たな政策

アムネスティ・インターナショナル(AI)が、2004年の世界の人権状況をまとめた年次報告書を発表した。各国の厳しい状況が描かれているが、今回の報告書で最も強調されているのは、世界を牛耳る超大国アメリカの政策と、無力な国連への批判だ。
そして、人権迫害が指摘されるその他の国々の場合でも、各国政府の無力というよりも、政府自らが人権の積極的侵害に荷担している点に置いて、多く共通点が見られる。

プレス・リリースでも名前が挙げられている国は少なくない。
  • ダルフール問題を抱えるスーダン
  • ハイチ共和国のトップによる人権侵害
  • コンゴ民主共和国東部での武装組織の活動
  • アフガニスタン
  • イラク
  • チェチェン問題でのロシアの対応
  • ジンバブエ政府が意図的に作り出した食糧危機
  • 国際司法裁判所の見解を無視するイスラエル

    だが、個別の国や地域に注目するほかにも、テロリズムとの戦いという世界的に広く見られる行為の中で、国家権力による人権侵害・迫害も蔓延してきたことを大きな問題としてアムネスティは指摘している。
    武装集団が新たな段階の残虐行為を行なうようになるにつれ、政府は人権に背を向け、すさまじくなる一方の「テロ」行為を行なった。」というように、今日では、相手側の暴力行為は何でも「テロ」と呼ぶことが流行しているかのようだ。

    新たな方針や、「環境操作」、「ストレスを加える姿勢」、「知覚操作」などといった管理紛いの用語を振り回すことで、拷問の絶対的禁止を回避しようという米国政権の姿勢は、世界が共有する価値に最も害を及ぼすものだった。

     米国政権は自由と正義という言葉を繰り返しているが、その言葉と現実との間には大きな開きがある。これは、イラクのアブ・グレイブ刑務所で米兵が被拘禁者に行なったすさまじい拷問や虐待について徹底した独立調査を行なわなかったことや、上官らの責任を問わなかった点に如実に表れている。

     「政治的、軍事的、経済的に他の追随を許さない超大国として、米国は、世界中の各国政府による行動規範を定めている。世界で最も強力な国家が法原則や人権を無視すると、他の国家が虐待行為を行なってもその責任を問わず、容認することになる」と、アイリーン・カーンは述べた。

    アムネスティの指摘は、アメリカのブッシュ政権にとっては、どこ吹く風だろう。
    それは、アムネスティが言うように、大国の遵法意識が低下しているためだ。そして、そうした考えが世界に輸出されていることへの自覚と反省が政権に無いことも指摘通りなのだが、民主国家であれば、政権の姿勢を変えられるのも民衆でしかない。
    自分たちの政府が何をしているかを監視するのは、民主主義国家における国民の役目なのだから。
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  • by kiyoaki.nemoto | 2005-05-27 17:36 | ニュース
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