NPTが失敗、そのまま閉幕へ
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核問題を討議する核拡散防止条約の再検討会議が何も合意できないまま閉幕しようとしている。

ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で25日、「核軍縮」と「原子力の平和利用」を扱う2つの主要委員会が合意形成に失敗したまま討議を終了、再検討会議は27日の最終日を待たず、事実上決裂した。
 前日には「核拡散防止」を扱う主要委員会が同様に討議を終えており、再検討会議は北朝鮮やイランの核問題など現実の脅威に対して何ら具体的な対応策を提示できないまま、約1カ月の会期を閉じることになる。

博士の異常な愛情~コレクターズ・エディション冷戦時代に蓄積された米ソの核兵器は、その恐怖感から「核の傘」という名の相互抑止力として働いていた。核兵器を開発した5カ国は国連の常任理事国になり、核を持つことが名実共に大国の証でもあった。しかし、核兵器の数は地球を何百回も破壊できる量に達し、そのクレイジーさは映画「博士の異常な愛情」にもなった。
この時代は、東西対立という枠組みでの核軍縮だけが主要テーマたり得た。

ソ連邦の崩壊で東西対立は終焉を迎えたが、今度は核兵器の拡散や核開発技術者の国外分散が問題視されるようになった。テロリストの手に核兵器が渡るのを防ぐには国家が管理体制の強化をすれば良かったが、国家の核開発は防げず、結局、インド・パキスタンが核兵器を所有するようになってしまった。当時、日本もインドへ経済制裁を行ったものの、現在では既に解除したところを見ると、これらの核は事実上、黙認されたと言うことなのだろう。

黙認されていないのが、イランや北朝鮮が開発中の核兵器だ。イランは原子力の平和利用の権利を主張しているが、北朝鮮は核兵器所有の権利を主張して憚らない。クリントン時代のアメリカは1国で北朝鮮に対処できないと考え、6カ国協議という枠を作ったが、昨今のブッシュ政権は露骨に対立姿勢を強調するあまり、北朝鮮の反発で6カ国協議自体が機能停止に陥りつつある。

今回のNPT会議の失敗が痛いのは、なんらの具体策を示せないことで会議自体の無力を宣言することに留まらないだろう。この結果を見れば、現在核を開発中の国々が勢いづいてしまうことが懸念される。走っている車のエンジンを停止できなくとも、ブレーキを掛けられればまだ良かったが、赤信号を無視して突っ走る国々を止めるには、徐々に進路を変えさせるのが大事ではないのか。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-05-27 10:15 | ニュース
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