農家数、5年で13%減少
農家戸数が220万戸に、高齢化で減少加速へ・食料白書 NIKKEI NET
<農業白書>戸数、従事者ともに減り基盤の弱体化進む
クローズアップ現代 No2082「科学の光で野菜を作れ」

「食料・農業・農村の動向」(食料白書)が17日、閣議決定された。
白書は2003年の農家戸数が220万戸と1998年に比べて13%減ったことをあげたうえで、今後も農業生産の中核を担ってきた高齢者のリタイアが進むため、農家の減少は加速すると指摘した。耕されなくなった農地を集積するなど構造改革が急務だとしている。
仮に、5年間で13%減というペースが続くなら、20年後には農家人口は半減する計算だ。減少ペースが加速しているならば、今後の産業構造は1世代の間にかなりの変化を迎えそうだ。

夕日の映る水田話は変わるが、日本の農業は漁業などと同様、「第一次産業」だと教わってきた。Wikipediaをひくと、第一次産業とは、「自然に働きかけて採取を行う産業」と出ている。この定義に基づくと、農業は何もないところから物を生み出す豊かな仕事、というイメージを持たれるかもしれない。しかし、現在の農業は第二次産業の一部と見た方がよいかも知れない。工場の代わりに田畑があるだけである。
産地間競争にさらされ、農作物の市場価格が低迷しても、(家族経営だから)人件費を計上しないことで生計が成り立っている小規模農家が、特に稲作農家には多い。

一般人が描く農家イメージに最も近いであろう稲作農家の場合、高度成長期のあたりから既にそうだったのだが、中堅農家は機械貧乏と言われ、農業だけでは食べていけないために、サラリーマンが週末片手間に農業をやるような第二種兼業農家が圧倒的に増えた。極端に言えば、サラリーマンがボランティアで日本の米作りを支えてきた、と言う方が近いような状況だったのだ。会社からの給与があるから、農業収入はわずかでも、あるいは赤字でも、なんとかやってこれた訳である。
(この間、総体的に農産物が価額縮小しているという見方もある。)

しかし、中堅農家の子供達は、会社員の生活の方が安定していることを知っているし、近年は会社も忙しく、二足のワラジが履きづらい。高齢化した農家は取り残される一方だ。子供が都会に家を構えてしまえば、高齢農家の後継者は居なくなり、いずれ耕作放棄地が出てくる。
農林水産省では耕作放棄地対策として、耕作放棄田を使った肉牛肥育案を提案したが、これなどは新規参入が見込めない山間地対策だろう。多くを占める平地には、やはり次の世代の担い手が必要だ。
しかし、米価は低迷し、稲作農家は将来に不安を覚えている。(南東北三県の農家アンケート)

もう一つ、地本主義の農業を根本的に揺るがすような動きも芽生えつつある。これまで広い土地が必要と思われてきた作物栽培をビルの中で行う、文字通りの「工場」が登場している点も見逃せない。先日(5月19日)放映されたNHK「クロースアップ現代」で紹介された取り組みをホームページから紹介しよう。
蛍光灯やナトリウムランプなど人工の光で野菜を育てる「植物工場」が注目を集めている。工場製野菜の売り物は「安定供給」と「安全」。天候の影響を受けない上、虫などが入らないため農薬も使わないからである。さらに、発光ダイオードの発明により、植物工場の可能性が大きく広がろうとしている。発光ダイオードの特徴は赤や青、緑など混じりけのない強い光を出せること。最近の研究で、発光ダイオードの純粋な色の光が、従来の光より植物の成長を早めたり、栄養分を増やす可能性があることが分かってきた。発光ダイオードを使ったレタス栽培の植物工場も稼働を始め、スーパーマーケットだけでなく外食産業などにも販路を広げている。光技術の進歩がもたらした新しい野菜作りの可能性を、東京・大手町のオフイスビルの地下にできた植物工場から生中継で伝える。
(NO.2082)

スタジオゲスト : 渡邊 博之さん
    (玉川大学農学部・助教授)

番組を見た野菜農家は、桁違いに高効率な野菜工場の存在に脅威を感じた筈だ。番組中のインタビューでも取り上げられてたが、野菜工場産の野菜の方がコストが高いので、値段も高くなるという。だが、その状況がいつまで続くのかは何とも言えないだろう。技術の革新が起これば、そのうち、稲作も工場で可能な時代がやってこないとは限らない。そうなれば消費者と都会の住民にとっては朗報だが、水田とその担い手農家をどうすればよいかは、更に難しい問題となっているだろう。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-05-24 01:00 | ニュース
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