NHK『クロース・アップ現代』で、筑波大学の山海(さんかい)教授が開発したロボット・スーツが紹介された。コメンテーターとして出演した立花隆氏も、ほとんど手放しで賞賛する優れものだ。 ASIMO等のようにプログラムされた2足歩行ロボットは3歳児の動きを再現するのも難しいというのが開発サイドの声だそうだが、山海教授のロボット・スーツは違う。 実物は、バックパックに収まる程のコンピュータ、間接部にモーターを格納した鉄の脚、神経の信号を関知するセンサーの3つから成る。装着した姿も、見るからに軽い装いだ。 ロボット・スーツの開発における入力は、従来は脳を重視してきた。司令塔である脳の信号を、如何に情報処理するかに心血を注いできた。しかし、やってみるとこれは難しいことであった。 発想の違いは、(脳の信号を直接取り出すのでなく)末端神経からの信号を入力としたことである。 山海教授の弁に依れば、脳は末端のために存在するという。言われてみれば、全くその通り。 そして、信号の個人差をプログラムで補うことで人間の行動を予測させたり、機械に頼る心理による反動信号を無視させたりしたらしい。 こうして出来たロボット・スーツは足腰の不自由な人向けや介護用品として今年中に実用化する予定という。しかし、介護への応用に留まらず、実際にはアメリカ軍からの引き合いもあるという。 パワード・スーツと呼ぶのがふさわしいようなこのロボット、常人が用いても力を倍増することが可能だ。 これを犯罪や戦争に利用されない保証をいかに行うのか、非常に難しい問題である。 関連:【ロボット・スーツ、腕部分を開発 筑波大】
by kiyoaki.nemoto
| 2005-01-06 15:56
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