市民感覚の首相 
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「市民感覚」と書いたのは、ここでは褒め言葉ではない。首相の自覚がない首相、という意味である。

民主党の仙谷由人政調会長が小泉首相に、今年中の靖国神社参拝の有無を問いただしたことに対し、首相は「いつ行くか、適切に判断する」と答弁し、行かないという選択肢は考えていないことを強く示唆した。また、これに先立つ発言では、「戦没者の追悼でどのような仕方がいいかは、他の国が干渉すべきでない。靖国神社に参拝してはいけないという理由がわからない」と述べ、中国や韓国の批判に不快感を示したとされる。

内心、「やっぱり。」と思わないでもなかった。インドネシア・バンドン会議で改めてアジア諸国への謝罪を表明し、日本へ対するマイナス・ポイントを大きく取り戻すことに成功したのも束の間、またしても中韓が指摘する通りの行動を示し、「過去は謝罪すれども今後の行動は別」という姿勢をさらけ出してしまった。

中韓、特に中国が外交筋を通じて発しているメッセージは、先に王大使が述べた「紳士協定」発言で日本国民にも明確になった。すなわち、「(A級戦犯に対して)総理大臣、外務大臣、内閣官房長官だけは参拝しない」という要求だ。
その後、そのような紳士協定は存在しないと政府が正式に否定したが、中国が求めているものが謝罪ではなく、こうした参拝行為の中止であることも明らかになった。
これまた政府の言うように、中国の要求は明らかに内政干渉だ。だが、中国が不快に思っていることを、日本政府が何らの対策を打ち出さず、検討もせず、公に行うという態度は第三者からみても不遜だろう。ドイツ国内でネオ・ナチが跋扈しても、ドイツ政府がこれに立ち向かう姿勢を再三見せ、他国の干渉を招かないのとは大違いの対応だ。
靖国神社側の対応が変わらない以上、国立の追悼施設を作り、外国の干渉を招くような余地を作らないことが政教分離の国・日本の国益にもつながろう。
戦後60年が経つ現在、日本遺族会の影響力下に政治の中枢を置くこともバランスが取れているとは言えなくなっていると思うが、どうか。

[P.S.]
中国情勢に詳しいとされる福田前官房長官も、現状にはさじを投げているようだ
首相は野党議員の質問に対しては「日本外交は順調に進んでいる」と自賛していたが、「親中派」として知られる福田氏の指摘には、無表情のまま直接の答弁はなし。福田氏だけでなく公明党議員からも懸念が示され、小泉外交の手詰まり感が浮き彫りになった形だ。
 福田氏は「首相が国際社会との協調を重視するというのであれば、足元の東アジアの中国、韓国との関係は早急に改善しておく必要がある」と強調。その上で、歴史問題だけではなく環境、エネルギー問題を含め「両国首脳が徹底的に議論して、大局的な判断を進めることが必要だ。それは国民に対する義務でもある」と淡々と指摘した。

隣国なれば、なおさら冷静さが必要という姿勢だろうか。同感である。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-05-16 11:37 | ニュース
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