老後の蓄えの必要性?
[MSN-Mainichi INTERACTIVE 事件]
過剰工事:3年間で数千万円分、認知症の老姉妹食い物に

悲惨というか、許し難い事件が起きたものだ。認知症の高齢姉妹を食い物に、複数の業者が群がるようにして不要工事を行い、借金まで負わせたという事件だ。
埼玉に住む80歳と78歳の姉妹は元公務員と証券会社員で、蓄えも4000万円ほどあったという。それが全て使い果たしたばかりか、700万円の借金も負わされてしまった。中には、わずか11日間で5回、計673万円分の「シロアリ駆除」などというものも含まれている。

業者の悪質振りはこれから判明するだろうが、我が身を振り返ると、この老姉妹が実に気の毒だ。老後の蓄えをいかにしっかりしようとも、体や頭が思うように働かなくなったらダメである。死んだらお金は冥土には持って行けないが、人間いつまで生きる分からない以上、お金を残しておきたいと思うのは当然だ。

そして、少子化の進む今日、子供に面倒を見てもらえないのは珍しいことではなくなりつつある。元より、当てにされて困る子供もいるだろう。
老後の生活は誰が守るのか。長命な日本社会では、もう少し真剣に考える必要があるかも知れない。

これまで老人には、介護問題も含め、自宅で過ごしたいというのが普遍的な価値観として存在した。これについては、介護保険制度が施行されて5年経ち、在宅サービス利用が増えてきたことで、被保険者(介護される高齢者)にとっても、また、施設負担を押さえたい保険者(市町村)にとっても良い方向に推移しきていると考えられる。
ただ、施設入所サービスも老人達が毛嫌いしているだけで、入ってみると案外楽しくなり、性格も明るくなったなど、適度な刺激が高齢者の健康に資する面も明らかになってきた。
だから、在宅が良いとばかりは一概に言えない。

ここで高福祉国家の北欧を思い出す。高齢者は十分な年金と社会保障政策で老後が保障されているので、江戸っ子ではないが、バンバン消費するそうだ。おかげで経済も維持される。
この場合、高齢者の生活を見るのは政府なので、今回の事件のように個人の預金が狙われることは無いだろう。定期的に担当者の目が届けば、詐欺に対しても予防が可能だ。特にフィンランドのように高齢者がホームで集団生活している限り、家庭に孤立して他人の目が届かないということは起こりえない。
勿論、こうしたライフスタイルは高齢者ばかりに注目しては築くことができないが、現在の社会をどう見直すべきかの一つの参考にはなるまいか。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-05-05 18:51 | ニュース
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