「雑草という草はない」

今日、4月29日は昭和の天皇誕生日だった。現在は「みどりの日」として、国民の祝日になっている。今国会での審議により、「みどりの日」は平成19年度から「昭和の日」と改称されることが確実になった。尚、5月4日が「国民の祝日」だったのを改め、新たに「みどりの日」にするそうだ。
c0026624_384866.gif「みどりの日」が制定されたのは、勿論、昭和天皇を記念してのことだが、名称は昭和天皇が自然を愛したことに因んでの命名でもある。
また、新緑の候にもふさわしい祝日で、これを機に環境問題や自然愛護・地域の緑化について考えてほしい、という願いも込められているそうだ。
制定当初は冴えないネーミングだと思ったものだが、今になってみると、万人に愛される奥深いネーミングだったと思えてくる。地球環境の大切さが世界的に認識されつつある中、みどりの日の意義は高まっているかも知れない。

生物学者の仕事をしていた昭和天皇は、ヒドロ虫類を始めとする海洋生物の研究の他、植物の共同研究もしていた。ある日のこと、側近が「ここから先は雑草です。」と昭和天皇に申し上げたところ、昭和天皇が「雑草という草はない。それぞれに名前がある。」と答えられたそうだ。
このエピソードは後に美談に解釈され、「路傍の石」という意味と同様に引用されることも多いが、おそらく、昭和天皇自身、正直な気持ちを吐露しただけであったろうと思う。
学者らしい側面が垣間見える、好きな話である。

このように「みどりの日」は、昭和天皇には誠にふさわしい記念日だ。
だが、2年後には、「昭和の日」として祝うことになる。
祝日法改正案の趣旨によると、昭和天皇の誕生日である4月29日を、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ための記念日と位置づけているそうである。

祝日が増える訳でもないのに、わざわざ改称だけしなくても、というのが正直な感想だ。
それに、明治時代の激動を思えば、「文化の日」を「明治の日」に改称しなくてはならないではないか、何故昭和だけ特別扱いするんだ、という気にもなる。
そんなに敗戦がショックだったのか、いや、ショックだったのは分かるが、立ち直ったことを強調しないといけないほどプライドが傷ついたのか、と問いかけたくなる。誰に問えばいいのか、今となっては定かでないが・・・。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-04-29 22:58 | 心に残る言葉
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