ニートの社会的背景
若年無業者に関する調査(中間報告)

先月22日の内閣府の発表で、15~34歳の独身若年層のうち仕事をせず、学生でもなく、職業訓練もしていない無業者(いわゆるニート)の数が85万人にも登ることが判明した。

厚生労働省が昨年の労働経済白書で推計した人数(02年で48万人、03年が52万人)を大きく上回る数字だったため、人数の多さばかりがショックを以て伝えられる傾向にあったが、内閣府の調査では白書で除外した家事をしている人を加えた数字であるため、実態の数字が変わった訳では無い。

だが、その調査の結果には、社会的要素が懸念されるものもあった。中間報告の段階であり、不明な点も多いが、気になる。
報告書をまとめた東京大学助教授の玄田氏によると、「ニートが生まれるのは、むしろ経済的に苦しい家庭」だというのだ。
・ニートの圧倒的多数は、高等教育を受けていない。
・新たに判明したことだが、ニートをめぐる厳しい経済状況。
 従来、ニートとは裕福な親が子供を甘やかした結果、子供が就業に対して無気力になったのだろうとの批判があったが、実態は大きく異なる。ニートが生まれるのは、経済的に余裕のある家庭よりも、むしろ経済的に苦しい家庭であるという傾向が強まりつつある。
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「貧乏人の子は貧乏」という、格差の固定化傾向があるが、ニートにも影響は現れていると見るべきだろう。

参考:【働く意志ある男性の若者 減少





「【経済】ニート85万人の衝撃 玄田 有史(東大助教授) -asahi.com :朝日新聞 be-business」を参考までに転記しておく。太線は私が強調した箇所である。この問題解決における、勉学の機会と就業の機会の重要性を示唆している。
先月、内閣府が発表し、私もかかわった「若年無業者に関する調査(中間報告)」についてお話ししたい。

 最近、「ニート」という、学校にも通わず、仕事もしておらず、職業訓練も受けていない若者の存在が知られるようになった。今回はニートの実態についての、政府として初めての本格的な調査結果である。

 学校に通っておらず、配偶者のいない15~34歳の無業者が、02年には213万人いた。うち約129万人は、仕事に就こうと就職活動をしている「求職型」の人たちだ。通常、失業者と呼ばれたりする。

 それに対し学卒・独身の若年無業者には、就職を希望しながらも職探しはしていない「非求職型」が43万人。さらに就職希望すら表明していない「非希望型」無業者も42万人。この非求職型と非希望型をあわせた85万人が「ニート」だ。

 親が裕福で甘やかしているために子どもが働こうとしないのだという意見がある。だがニートのいる世帯は年収が低い場合も多い。非求職型で3割強、非希望型は4割弱が、年収300万円未満の世帯に属する。

 ニートの約半分は過去に一度も仕事に就いたことがない。就業経験がないニートは、非求職型でこそ4割程度だが、非希望型では7割にも達する。ニートの多くは親の収入で生活しているが、親と死別した将来に自立した生活を送れる見通しは暗い。過去に働いた経験がないまま中年となったニートに、就業というハードルはとてつもなく高い。

 非求職型のニートに就職活動をしない理由をたずねると、「探したけれどみつからなかった」「希望する仕事がありそうにない」など不況やミスマッチの影響や、「知識・能力に自信がない」と不安を抱える場合が多くなっている。コミュニケーション能力に自信が持てないケースも圧倒的に多い。

 さらに今回の調査で驚きだったのは、働けない理由として「病気・けがのため」が急増し、非求職型の4人に1人にのぼることだ。病気やけがの内容は不明だが、非求職型の6割は就業経験を持つことを考えると、職場の過大なストレスから心身を病んだケースも多いかもしれない

 陰鬱(いんうつ)とした気分になる。しかしこれが現実なのだ。生活保護やホームレスが急増する前に、今その状況を何とかしなくては。ただそこで、無気力と非難し、「働け」と説教するだけでは、何も変わらない。本人や家族だけで解決しようにも限界がある。親は地域の「ジョブ・カフェ」など支援機関に相談してほしい。所在地は役所やハローワークにきけばわかる。「若者自立塾」という、共同生活を通じて自立を促す事業への行政支援も始まる。

 ニートは勇気をもって支援の入り口に向かってほしい。親身となって相談に乗ってくれる大人や、同じ生きづらさを抱えながら励ましあえる仲間が、必ずいるから

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by kiyoaki.nemoto | 2005-04-17 01:34 | ニュース
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