科学と政治
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asahi.com: 物理学者、竹島に悩む 世界物理年の行事で思わぬ難題?-?サイエンス

竹島の問題が科学の領域にも陰を落としている。

「国際物理年」である今年、様々な物理学関連イベントが世界中で行われようとしているが、あるイベントは、「物理は世界に光を当てる」をテーマに提唱。
アインシュタイン没後50年の4月18日に、米ニュージャージー州から西回りに光ファイバーを通じた電子メールなど、光に関連した信号を各国間でリレーし、地球を1周させるというイベントだ。
これに参加している韓国側が、信号の経由地にわざわざ竹島を含めようとしているらしい。 (回線が遠回りになる)

このような科学(のイベント)を政治利用しようというアイデアはどこから出てきたのか分からないが、科学者も人間であるから、政治的な主張もあろう。
ただ、科学界から政治的な動きをしようとすることは滅多にないことだ。むしろ、科学の独立性を保とうという意識が、従来の科学者には根強いと思う。
アメリカでは、ブッシュ政権登場後に科学を無視もしくはねじ曲げて解釈しようとする動きが政府に見られるとして、多くの科学者がブッシュ政権の姿勢に反対を表明した。
また、国際物理年の由来であるアインシュタインも、バートランド・ラッセルと共に核兵器廃絶を訴えるなど、平和運動には熱心であった。軍国的な国家であれば、平和運動も政治運動とみなされるであろうが、平和運動というものは基本的に不変である。平和運動そのものが特定の国に有利に働くことはない。物理法則が世界中で不変であるかのように。

日本の物理学会員は、当然というか、当惑してだろうが、国際物理年のこのイベントへ不参加も視野に入れた対応を検討中とのことだ。韓国の竹島(独島)領有権が認められるかどうかは全く政治的な問題である。二つを結びつけることが物理学者の知恵とは思えない。
P.S.Excite エキサイト : 社会ニュースの記事によれば、世界物理年日本委員会(有馬朗人会長)もリレーに加わる予定で「一般の日本人も参加を」と呼びかけているそうだ。
日本としては、過剰反応を避けたというか、まずは平和を訴えたアインシュタインの業績をたたえる決定をしたというところか。




◆世界物理年とは◆
c0026624_18222231.jpg1905年、スイスの特許局に務めていたアインシュタインは博士論文として「特殊相対性理論」を書こうとしたが、論文内容が大学側に認められなかった。そこで急遽、「分子の大きさの新しい決定法」という論文を提出し、受理された。この年、アインシュタインは「光量子仮説」、学位論文の発展である「ブラウン運動の理論」、「特殊相対性理論」に関連する5つの重要な論文を立て続けに発表した。
物理学の歴史上、1905年は後に「奇跡の年」と呼ばれることになる。

無名だったアインシュタインがこれらの重要な論文を通じ、物理学会に新風を吹き込んだ年から100年目、アインシュタイン没から50年目が2005年である。
ヨーロッパ物理学会の提案を受けて、国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)は物理学と自然科学に対する世界的な注目を喚起しようという趣旨で、2005年を「国際物理年」と定めた。
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by kiyoaki.nemoto | 2005-04-01 18:39 | ニュース
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