CNN.co.jp : 植物状態の米女性、延命に議会が法案採択 大統領が署名 - USA
asahi.com:米議会、尊厳死を阻止 司法に異例の「介入」?-?国際 15年にわたり植物状態が続く米フロリダ州の女性テリ・シャイボさん(41)について、共和党が多数を占める米連邦下院(定数435)は21日早朝、延命措置の再開を認める司法判断を求めるという異例の法案を可決した。上院はすでに20日中に可決していた。これを受けてブッシュ大統領はただちに法案に署名し、成立させた。 この女性の保護者である夫は、妻が延命措置を希望しなかったと主張。妻の両親とは対立している。また、妻の両親は、この夫が財産分与を狙って妻をなきものにしたがっているとも述べている。シャイボさんは時折表情の変化が見られるが、医者は、これは条件反射的なもので意志の表明ではないと説明しているそうだ。 日本では脳死からの臓器移植が始まったものの、まだまだ脳死を人の死と認められない風潮は(私も含めて)根強い。特に、麻酔もせずに切り刻むと(脳死の人が)暴れて大変だったという話などを聞くと、とても認める気が起きない。 また、脳死判定の方法自体もまだ疑問の余地が残されている。厳密な判定をしないから、後で「脳死から生き返った」などという話が飛び出すのだ。 しかし、フロリダの女性は脳死でもなく、植物状態だということであるから、死なせるのはどうかと思う。延命措置を中止すれば、苦しんで死ぬのではないかと懸念してしまう。 夫の気持ちとしては既に、妻は帰ってこないものとしてあきらめているのだろうが、子供に対しては無償の愛を捧げられる両親は別の受け取り方をしているのだろう。 日本であればどうなるだろうか。 私の周辺の例では、事故で半身不随に陥った若い夫と離婚した妻が居る。事故が起きなければ夫婦としてうまくやって行けただろうが、夫の世話をするだけの人生では悲観せざるを得なかったのであろう。誰がこの妻を責められようか。 だが、寝たきりの人間にも生存権があるのは当然だ。寝たきりの人間とその伴侶の人生を絡めて扱おうとすると問題が複雑化するのだと思う。 フロリダの例も、夫と離婚させ、彼を解放して妻を両親の元に返してはどうだろうか。 少なくとも、面倒を見ることを放棄している夫の元に置くよりは良い結果だと思うのだが。 P.S.【「尊厳死」政治介入に8割が嫌悪感 TBS News-i】によると、共和党主導の政治介入が国民の支持を得られぬどころか、反感を買っているらしい。 アメリカで15年間意識のない、いわゆる植物状態にある女性の尊厳死を巡る裁判で、露骨な政治介入が行われていることに対して、8割以上の国民が嫌悪感を示していることが、最新の世論調査で明らかになりました。 関連:【脳死は妥当? 現場の半数「わからない」-アサヒ・コム-】
by kiyoaki.nemoto
| 2005-03-21 17:44
| ニュース
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